1980年代後半から、温暖化をはじめとする地球環境問題が世界的な関心事となってきました。そうした背景のもとで、1992年6月、ブラジル・リオデジャネイロに世界各国から首脳が集まり、「地球サミット」(UNCED:国連環境開発会議)が開催されました。
この会議では、環境と開発に関する「リオ宣言・アジェンダ21」が採択され、人類の行動計画がまとめられました。
ところで、地球サミット開催の1年前に、このサミットを成功に導くために、世界の産業界のリーダー50人を集め、BCSD(持続可能な開発のための産業人会議)が創設されました。そこで検討した結果、ISO(国際標準化機構)に対して、環境についての国際標準化に取り組むよう要請を行うことになったのです。
この要請を受けて ISO では、環境マネジメントシステム標準化の取り組みを開始し、ISO14001(環境
ISO)が作られて、今日に至っているわけです。
ISO14001 は、1996年9月に発行され、既に10年が経過しました。この間に
ISO14001 を取得した企業は増加し続け、日本においては、2007年3月末までに、20,000件を超えると予想されています。また、日本は世界シェアの
20%強を占めており、世界のトップランナーの位置にいます。
ISO14001 規格は、環境マネジメント標準化のために生まれたマネジメント規格です。マネジメント規格とは、ISO
ねじや写真の感光度といったハードの「製品規格」ではなく、マネジメントの「経営管理組織や管理制度を規定する規格」のことを言います。
つまり、ISO14001 とは、企業や団体等の組織が事業活動を行う際に、環境への影響を考慮してどうマネジメントしていくかを示す規格なのです。
先に述べたように、ISO14001 は地球サミットの勧告を受けて生まれましたので、次のことを企業(組織)に要求しています。
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環境問題に取り組む管理体制を持つこと。
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環境法規制を遵守すること。
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環境目的と目標を達成するための仕組みを運用すること。
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絶え間なく改善を続けていくこと。
そして、これらの取り組みの成果は、審査機関の審査を受けて認証を取得するか、あるいは自己表明という形で、外部に表明することができます。つまり、企業(組織)の環境に対する取り組みを、世界共通のマネジメントシステムに関する物差しで測った結果として、社会に公表することができるのです。
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